演説


告別の辞(1796年9月17日)より抜粋 原文
 諸外国に対する我々の行動の一般原則は、通商関係を拡大することにあり、できるだけ諸外国と政治的な繋がりを持たないようにすることにあります。我々が既に結んでしまった取り決めに限っては、完全なる信義で以って履行するべきでしょう。これでとどめておけばよいでしょう。ヨーロッパは優先的な利害関係を持っていますが、我々にとっては全く利害のないことであるか、まったく疎遠な関係です。そのためヨーロッパは度重なる紛争に巻き込まれていますが、その原因というのは全くの他所事です。それだからこそ、うわべだけの繋がりで、ありきたりなヨーロッパの政治変動、友好や敵意による連帯や連合に我々が関わり合いを持つのは賢明ではありません。
 我々が孤立し離れた場所にいることで、我々は異なった方向に向かうことができます。もし我々が有能な政府の下で1つの国民としてあり続けるのであれば、我々が外部の厄介事から被る物質的損害をもろともしなくなる時は遠くありません。いかなる時でも完全に尊敬されるように決意し、中立をもたらすような態度をとる時は遠くないでしょう。好戦的な国々が、我々を捕捉できないのに、軽率にも我々を挑発しようとしなくなる時は遠くありません。我々が正義に導かれ、我々の利害を諮ったうえで平和か戦争を選ぶ時は遠くないでしょう。
 どうしてこの特別な場所にいる利点を捨てようとするのでしょうか。どうして我々自身の立場を捨てて、外国の立場に立とうとするのでしょうか。どうして我々の運命をヨーロッパの運命と織り交ぜることによって、我々の平和と繁栄を、ヨーロッパの野心や競争、利害、移り気、気紛れに絡ませなければならないのでしょうか。
 いかなる外界とも恒久的な同盟関係を避けるのが我々の真の政策です。

ジョージ・ワシントン大統領歴代アメリカ合衆国大統領研究