第1次就任演説(1789年4月30日)
 「この最初の国事行為において、宇宙を支配し、諸国の会議を主宰し、さらにその摂理によってわれわれ人間のすべての欠点を補う全能なる神に対して、私の熱烈なる懇願を申し述べないとすれば、それは誠に不適切なことでしょう私は、神のご祝福によって、合衆国国民が自らの自由と幸福のために築いた政府を、これらの根本的な目標達成のために捧げることができるように希います。[中略]。あらゆる公的、私的善行の偉大なる創造主たる神に対して、このような敬意を表明するにあたり、その中に、私の思いに勝るとも劣らない聴衆の皆様の思いが[中略]言い尽くされていることを確信しています。合衆国国民ほど、人間事象を司る神の見えざる手の存在を認め、畏敬の念を持つように運命づけられた国民はありません。われわれは独立国家としての体裁をなしつつありますが、これまでの一歩一歩の歩みの中に、神の摂理の働きを読み取ることができるように思われます。連合政府によって達成された重要な革命は[中略]比類稀なことであります。なぜなら、ほとんどの国が政府を樹立する場合、過去から未来へ向けて神の祝福を受けたいと謙虚に期待することはあっても、神に対して敬虔な態度で感謝することはないからであります。[中略]。慈愛に満ちた人類の親である神にもう一度謙虚に祈願いたします。アメリカ国民は冷静に審議する機会を与えられるとともに、連邦の統一を確保し、幸福を増進するために必要な政府の形態に関しては、他に類をみない満場一致の採決をもって処理することができました。ひとえに神の恩恵の賜物であります。従いまして、引き続きその神聖なご祝福が、この政府の行く末を左右する広い視野、節度ある会議、賢明な政策にも平等に及びますよう希います(堀内一史・犬飼孝夫・日影尚之訳)」

歴代アメリカ合衆国大統領研究/歴代アメリカ大統領研究者の成果