宗教


ユニタリアン派
 アダムズは会衆派のユニテリアン派に属していた。会衆派は、17世紀前半にマサチューセッツ湾植民地に渡ってきたピューリタンの一派である。またユニテリアン派は、1783年に会衆派から生じた一派である。神の単一性を主張し、三位一体説やキリストの神性を否定する特徴を持っている。後に会衆派から独立した。
 アダムズは、キリスト教をニュートン的な科学やロック的な経験論で補強することを論じた著作に親しんでいる。アダムズにとって、聖書の啓示は道徳的真理の源泉そのものではなかった。アダムズは、人間は理性的な存在であり、自ら道徳的義務の基準を導き出すことができると考えていた。そして、信仰は、市民として必要とされる徳性を養う習慣であると考えていた。
 さらにアダムズはキリストについて次のように考えている。キリストの信仰と博愛、そして献身は人類が見習うべきものだとはいえ、キリストは神の子ではなく人間である。もしキリストが神の子であるなら、何故、神は自らの子が十字架に掛けられるのを許したのか。
 大陸会議で活躍していた頃、議会が休会になる日曜日、アダムズは1日の大半を教会で過ごし、ミサに2回、時によっては3回も参加することがあった。アダムズは、英国国教会(後に監督派)、メソジスト派、バプティスト派、長老派、クェーカー、ドイツ兄弟派など様々な礼拝所を訪れている。
 こうしたアダムズの考えと行動は、18世紀半ばにアメリカ植民地で広まった大覚醒運動の影響があると思われる。大覚醒運動は、既存の教会組織にとらわれることなく、自らの内面の宗教意識を重んじることを呼びかけた運動である。

ジョン・アダムズ大統領歴代アメリカ合衆国大統領研究