祖先


農園主の家系
 アメリカにマディソン家が移住する前の祖先についてはよく分かっていない。マディソンの傍系子孫からカール大帝やラニミードの男爵家に血縁をたどることができる程度である。マディソン自身は単に、「父系母系ともに[私の先祖は]農園主で社会的地位があったが、最富裕層というわけではなかった」と友人に語っている。
 アメリカに最初に移住した先祖はジョン・マディソン である。ジョンはイギリスの船大工でマディソンの高祖父にあたる。1653年に人頭権制によって600エーカーの地権を得た。人頭権制度は、イギリスによる土地付与の1つの方法で、1人の移民に対して50エーカーを与える制度である。その当時、商人や船主が移民をアメリカに送り込んで人頭権を取得することがよく行われ、大土地所有の基礎となった。ジョンは亡くなるまでにさらに1300エーカーの地権を各地で取得した。
 曽祖父ジョンは、キング・アンド・クイーン郡の保安官と治安判事を務めた。それはジョンがある程度の社会的地位を保っていたことを示している。1728年、祖父アンブローズは、5000エーカーに及ぶ地所を所有していた。アンブローズはジェームズ・テイラー2世の娘と結婚した。テイラーは1722年にヴァージニア植民地オレンジ郡で1万3500エーカーの地権を得た大農園主であった。このテイラーの曾孫は後の第12代大統領ザカリー・テイラーである。つまり、マディソンとテイラーは又従兄弟の関係である。こうした血縁関係によりマディソンはオレンジ郡内の農園主の大部分と何らかの関係を持っていた。それはマディソンにとって大きな政治上の資産となった。
 1729年頃、祖父アンブローズはオレンジ郡に新居を築いたが、1732年に亡くなった。父ジェームズが9才の時である。農園の経営は、父ジェームズが18才に達するまで祖母フランシスに委ねられた。

ジェームズ・マディソン大統領歴代アメリカ合衆国大統領研究