アビゲイルからアダムズに宛てた手紙(1784年2月11日付)
「私の親愛なる友が大西洋を渡ってからあと2日で丸6年になります。しかし、6年間の中で3ヶ月はアメリカで過ごしました。人を惑わせる空気のような儚い希望、それはいかに私の見込みから逃れてきたでしょうか。そして、あなたが帰ってくるという期待は月日が経つにつれて礎のない蜃気楼のように消えてしまいました。あなたは私を呼び、あなたに従うように求めました。私の心からの最も正直な願いはあなたといることです。しかし、私の心の中に葛藤があるとはあなたにはほとんど思いもよらないようです。海を渡ることは大変なことだと思えますし、住まいや祖国や別れを告げ、再び会えないかもしれないと思いながら子供達や友達を残していくこと、そしてこうした不安を夫の慰めと元気付けなしでやり過ごすことは、本当に、私の親愛なる友よ、他に匹敵するものがないと感じるくらいの試練の時なのです。しかし、一方で、夫と友達に温かく愉快に迎えられ、長い間会っていない愛する息子と会うことを考えると慰められます。しかし、私の恐れと不安が今、ここにあり、私の希望や期待ははるか彼方にあるという違いがあります」

歴代アメリカ合衆国大統領研究/歴代アメリカ大統領研究者の成果