『フェデラリスト』42篇「外交権、州際問題統制権など」 (1788年1月22日)
「条約の締結、大使などの使節の派遣および受理の権限は、妥当なものであり、とやかくいうべきことではない。これらの権限は連合規約の中にも含まれているが、ただ異なっている点は、憲法会議案による条約締結権が、各州の取締規則によって、条約が事実上無効となるかもしれない例外に乱される懸念がないことである。[中略]。公海における海賊行為および重罪、ならびに国際法違反行為の決定と処罰の権限は、同等な妥当性をもって中央政府に属するものであり、連合規約に大きい改善を加えたものである。[中略]。奴隷輸入禁止権限は、一八〇八年まで延期されるべきでないこと、むしろただちに行使されるのが望ましいことは、疑いのないところであった。だが、中央政府にこの制限を課したことに対する、または、この条項[第一条第九節一項]全体の表現をこのような形式にしたことに対する理由を説朋することはむずかしいことではない。すなわち、アメリカ諸邦においてその野蛮性が長年にわたり喧しく非難されてきた[奴隷]輸送を、あと二〇年で永久になくすこと、またこの期間内でも奴隷輸入は連邦政府から相当な妨害を受けることになるだろうこと、さらに連邦の大多数の邦がとった禁止の実例に、現在なおもこの不自然な輪送を継続している少数の邦が協調することによって、奴隷輸入はまったく廃止されるかもしれないことなどからして、人類の幸福のために獲得された重大な成果とみなされるべきである。[中略]。各邦[州]間の通商を統制する現在の連合権限の欠陥は、経験によって明瞭に指摘されている欠陥のたぐいのものである。また、この問題について、これまでの論説[第一一篇・第二二篇)で行った検討ならびに注意を喚起した点とにさらに付け加えたい点は、外国貿易を統制するという重大で不可欠な権限も、この補充規定なくしては不完全であり、効果が少ないということである。この権限の重要な目的は、他の州を通じて輸出入している州を、他の州による不当課税から救済することにある(齋藤眞・武則忠見訳)」

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