マディソンの修正原案(1789年6月8日)
「第1点。憲法本文の前に前文として以下の言明を挿入する。すべての権力は本来、必然的に人民に由来する。政府は人民の福利、すなわち生命と自由の享受、財産を獲得し使用する権利、あまねく幸福と安全を追求するために設立され、運営されるべきである。人民は、政府がその設立目的に反するか、不適切であると見なされる場合、彼らの政府を改革し変更する、疑う余地のない不可侵にして取り消されることがない権利を持つ。第2点。憲法第1条第2節第3項の『下院議員の数は、人口三万人に対し一人の割合を超えることはできない。ただし、各州は少なくとも一人の議員をもつことを要する。上述の算定がなされるまで』という条文は削除すべきである。その場所に以下の条文を挿入する。最初の実際的な算定の後、[空欄]の数に達するまで、人口3万人に対し1人とし、その後は議会が割合を規定するので、最初の算定後、下院議員の数は1州あたり[空欄]人を下回ることなく[空欄]人を超えることはない。それに先だっては少なくとも2つの議席を持つ。第3点。憲法第1条第6節第1項の最初の文の後に以下の条文を加える。しかし、最後に確定された報酬を変更する法律は、次期議員の選出が確定するまで発効しない。第4点。憲法第1条第9節の第3項と第4項の間に以下の項を挿入する。何人も信教の故を以て市民権を制限されることはなく、いかなる国教も樹立されず、完全かつ平等な宗教の権利は、いかなる形態であろうとも、またはいかなる口実があろうとも侵害されない。人民は自らの意見を話す権利、書く権利、または出版する権利を剥奪されることも制限されることもない。そして、自由の大いなる防壁の1つである言論の自由は侵害されない。人民は平穏に集会し、公共の善を諮ることを抑制されることはない。議会に対して請願することも、彼らの苦痛事を解消するために抗議することも抑制されることはない。規律ある民兵は自由な国家に対する最善の保障であるから、人民が武器を保有しまた携帯する権利は侵してはならない。しかし、宗教上の理由で武器を携帯できない者は、自ら民兵として軍役に服すように強制されることはない。平時においては、所有者の承諾を得なければ、何人の家宅にも兵士を宿営させることはできない。いかなる時も、法律の規定によるのでなければ、宿営させることはできない。何人も、弾劾の場合を除いて、同一犯罪において重ねて刑罰や審判を科されることはない。また何人も自己に不利益な供述を強制されることはない。また正当な法の手続きによらずに、生命、自由または財産を奪われることはない。また正当な賠償なしに、私有財産を、公共の用途のために、譲渡するように強制されることはない。過大な額の保釈金を要求し、または過重な罰金を科することはできない。また残酷で異常な刑罰を科してはならない。不合理な逮捕、捜索、もしくは押収に対し、身体、住居、書類および所有物の安全を保障される人民の権利は、宣誓もしくは確約によって支持される、信頼に足る原因なしで発行され、かつ捜索される場所、および逮捕押収される人あるいは物件を特に指定していない令状によって侵害されることはない。すべての刑事上の訴追において、被告人は、公平な陪審によって行われる、迅速な公開の裁判を受け、かつ起訴の性質と原因とについで告知を受ける権利を有する。被告人はまた、自己に不利な証人との対審を求め、自己に有利な証人を得るために強制的手続きを取り、また自己のために弁護人の援助を受ける権利を有する。本憲法中の各所で特定の権利のために設けられた排他的権限をもって、人民の保有する他の諸権利の重要性を軽視したもの、もしくは憲法によって与えられた権限を拡大するものと解釈することはできない。しかし、そうした権限を実際的に制限するもの、もしくは単に強い警告を挟むものとして解釈される。第5点。憲法第1条第10節の第1項と第2項の間に次の項目を挿入する。州は信教の平等の権利、出版の自由、刑事上の訴追において陪審による裁判を受ける権利を侵害することはできない。第6点。憲法第3条第2節第2項の終わりに以下の条文を付け加える。しかし、係争の金額が[空欄]ドルを超えない場合はいかなる上訴審も行われない。また、普通法上の訴訟において、陪審により審理された事実は、普通法の規則による他、再審されることはない。第7点。憲法第3条第2節第3項を削除して、その場所に以下の条文を挿入する。すべての犯罪(弾劾と陸海軍軍隊または戦時もしくは公共の危険に際し、現に服役している民兵の間に起こった事件を除く)は、近隣の土地自由保有権を持つ者による公平な陪審によって審理され、有罪判決に全会一致を要し、控訴する権利やその他の慣例的な要件を要する。また大陪審の告発または起訴によって、死刑または身体に刑罰を与えられるべきすべての犯罪は、予審を必要とする。もし敵軍が占有する郡や反乱が広まっている郡で犯罪が行われた場合、違法行為が行われた場所に近い同州の他の郡で裁判を行うことが法令により正当と認められる。ある郡の外で犯罪が行われた場合、裁判を法により規定される郡の中で行うことが法令により正当と認められる。普通法上の個人間の訴訟において、陪審による裁判は、人民の権利の最善の保障として侵害されることはない。第8点。憲法第6条の直後に第7条として以下の条文を挿入する。本憲法によって委任された権限は、それぞれ管轄を持つ各府に分与される。そのため立法府は行政府や司法府に与えられた権限を決して行使することはできない。また行政府は立法府や司法府に与えられた権限を行使することはできない。また司法府は立法府や行政府に与えられた権限を行使することはできない。本憲法によって合衆国に委任されず、また各州に対して禁止されなかった権限は、各州それぞれに留保される。第9点。憲法第7条を第8条とする」

歴代アメリカ合衆国大統領研究/歴代アメリカ大統領研究者の成果