戦争教書(1812年6月1日)
 「合衆国上院および下院へ。イギリスとの関係においてこれまで受けてきた一連の出来事を示す確かな文書を私は議会に伝達する。イギリスが今、従事している戦争は、1803年の対ナポレオン戦争再開を越えるものではなく、あまり重要ではないが正されていない過ちを省こうとするものであるが、イギリス政府は、独立国であり中立国である合衆国に対して一連の敵対行為を働いている。イギリス艦船は、国際法上、敵国に対して認められる交戦国の権利の行使という名目ではなく、自国の臣民に対する国内の特権を行使するという名目の下、公海上でアメリカ船に対して侵害行為を続けており、その下で航海する人員を拘束のうえ連行している。したがって、イギリスの管轄権限は、国際法と船舶が所属する国の法律以外、適用すべき法律がない状況の下―もしイギリスの臣民が誤って拘束され、それのみに関するならば、自力更正が認められるかもしれないが―で、中立国の船舶にも拡大されているが、主権国家に武力を以て訴えることはまさに戦争の定義に当てはまる。このような場合にイギリス臣民を拘束することは、交戦国の権利の行使と見なすことができるのか、また、効力ある法廷の前で行われる正規の調査なしで差し押さえた財産を付与する規定を禁じ、個人の神聖な権利が問題になった場合に公正な裁判を絶対に必要とする戦時法の行使として認めることができるのか。そうした裁判の場では、そうした権利はあらゆる小指揮官の意思に委ねられる。イギリスの行いはイギリス臣民のみに影響を及ぼすわけではなく、イギリス臣民を捜索するという口実の下、公法と国旗の保護の下にある数千のアメリカ市民が祖国と愛するものすべてから引き離され、外国の戦艦に乗せられ、過酷な規則の下、最も僻遠の地へ追いやられ、抑圧者の戦闘の中で命を危険にさらし、憂鬱にも同胞の命を奪う道具となっている。[中略]。またイギリス艦船は、我々の海岸における安全と権利に対する侵害を行ってきた。彼らは遊よくして我々の通商を妨害している。最も侮辱的な口実で、彼らは我々の港湾に対して無法な行動をとり、我々の神聖な領域内でみだりにアメリカ人の血を流した。[中略]。要するに、イギリス側が合衆国に対して戦争状態にあると我々はみなすのであって、合衆国側はイギリスに対して平和状態にある。合衆国がこのままさらなる剥奪やさらなる不正行為に対して受け身であり続けるか、国の権利を守るために、武力に対して武力で抵抗するか、それとも他国の競合や思惑に関わるすべての繋がりを避けて神の手に正義を委ねるか、友好と平和の名誉ある再建にともにあたることを一貫して快諾するようにするかは、憲法が賢明にも立法府に委託した厳粛な問題である」

歴代アメリカ合衆国大統領研究/歴代アメリカ大統領研究者の成果