ジョン・ジェイに宛てた手紙(1786年8月15日付)
「我が国の状況が急速に危機に瀕しているというあなたの見解は、私の見解と一致します。私が予想だにしない出来事が何か起こるかもしれません。我々は正すべき過ちを持っています。おそらく我々は、人間が思慮をなす際の本質について楽観的な見方を持っています。経験が我々に教えるところでは、強制的な権力の介入なしに、人間が、彼ら自身の善意に最も適した方策を採択して実行に移すことはないでしょう。異なる邦政府の権限がお互いの邦に及んでいるので、強力な方法で連邦全体に行き渡る権力をどこかに委託することなく、我々は1つの国家として長く存続できるとは思えません。国家の目的に資するために十分な権限を持った連合会議を組織することを恐れるのは、一般的な愚かさと狂気の極みのように私には思えます。連合会議が、人民と同じく、もしくはそれ以上に傷つくことなく、人民の不利益を図ることができるでしょうか。連合会議の利害は有権者の利害と分かち難く繋がっているのではないでしょうか。交代して任官することで、連合会議[の代表]はしばしば一般大衆の中に混じることはないのでしょうか。もし彼らが前述の権限を有していても、個々の代表が、将来の選挙や人気を失うことを恐れて、しばしばそうした権限をおずおずとそれほど効果的でもなく使うことになると考えられないのだろうか。[中略]。この2,3年で何と驚くべき変化が生じただろうか。尊敬すべき人物でさえも、恐れることなく君主制について話しているのを聞いている。話が進んで考えが行動に移るには、たいていは僅か1歩しかありません。何と取り返しがつかず、途方もないことだろうか。専制政治を唱導する者の勝利で見出されることは、我々が我々自身で我々を支配できないこと、そして、平等な自由に基づく制度は単に理想であり、まやかしであることです。[中略]。私は世間から身を引いていますが、自分が無関係な傍観者だと思うことはできないと率直に感じています。幸運にも船を支えて港につけ、安全に陸揚げさせましたが、荒れた海に再び乗り出すことは私の仕事ではありません。私の見解と意見が国民の心に大きな影響を与えるとも思われません」

歴代アメリカ合衆国大統領研究/歴代アメリカ大統領研究者の成果