諸邦知事への回状(1783年6月8日付)
「健全な状態、敢えて言うならば合衆国が独立国家として存続するのに不可欠な4つのことを私は愚考しました。第1に、単一の連邦を頭にいただいた諸邦の永続的な連帯。第2に、公正の犯すべからざる尊重。第3に、平和時の軍事組織。そして、第4に、地域的な先入観と方針を忘れさせ、全体の繁栄のために必要な譲歩をお互いにするようにさせ、そして場合によっては全体の利益のために個々の利益を犠牲にするような性質の平和で友好的な気質を合衆国人民に行き渡らせること。もし諸邦が憲法によって明白に授与された権限を連合議会が行使するのを許さなければ、すべては急速に無秩序と混乱に陥るでしょう。連邦全体の問題を規定し管理する最高権力をどこかに預けることは各邦の幸福にとって避けられないことです。もしそれがなければ、連邦は長く存続することはできないでしょう。[中略]。連邦を解体しようとする傾向を持つどんな方策も、もしくは国家の主権を侵害したり損なったりする方策は、アメリカの自由と独立の敵とみされるでしょう。そして、その張本人はそれにふさわしいように扱われます。もし我々が諸邦の協力を得て革命の成果を分かち合えず、連盟規約で採用され工夫されているように、自由で腐敗しておらず、抑圧の危険から幸いにも守られている政治形態の下で市民社会の本質的な恩恵を享受できなければ、無目的に多くの血と富が浪費され、対価もなく多くの苦難を体験し、そして多くの犠牲が無駄になされたことが悔やまれるでしょう。他にも多くの考慮が、連邦の精神に完全に順応することなく、我々は独立国家として存続できないということを証明するでしょう。最も重要だと思うことを1つか2つ述べれば私の意図を述べるのに十分です。帝国としてまとまっているからこそ、我々の独立が承認され、我々の権利が尊重され、諸外国の中で我々の名声を保つことができます。ヨーロッパ諸国とアメリカ合衆国の諸条約は、連邦が解体してしまえば全く効力を持ちません。我々はほぼ自然状態に残されるか、極度の無政府状態から極度の専制政治に必然的に進むということを不幸な経験によって見出すでしょう。専制的な権力は、放縦に陥った自由の堕落の上に最も容易に築かれます。2つ目の点、公正を示すことに関して、その問題で疲弊しながらも連合会議は合衆国に向けた先日の演説の中で、彼らの考えを完全に説明し、すべての公債所有者に対して完全に公正な扱いをする義務を果たすように諸邦に強く主張しました。[中略]。防衛のための負債を国が償還する能力には疑うべき点はありませんし、おこがましくも、そうした意向に欠けているわけでもないでしょう。我々の義務の道程は我々の前に真っ直ぐ伸びています。誠実さはあらゆる機会に最善で唯一の真の方策であると分かるでしょう。国家を公正にしましょう。連合会議が戦争を遂行する目的のために結ぶ権利を明らかに持っていた公的な契約を果たしましょう。[中略]。公正な扱いは、任務の完全な放棄を防ぐ唯一の手段です。それは軍の賃金の一部です。敢えて言えば、それは彼らの血とあなた方の独立の対価なのです。それ故、それは通常の負債ではなく、義理なのであり、決して単なる年金や謝礼ではなく、公正に果たされるまで撤回されてはならないのです。[中略]。歳費の定期的な支払いの他に、傷病兵を最も困難な悲惨さから救うものはありません。祖国に奉仕するために血を流し、四肢を失った者達が、住まいもなく、友もなく、そして必需品や人生の慰めとなる物を得る手段もなく、戸口から戸口へ日々の糧を求めて彷徨わなくてはならない様子を見るよりも憂鬱で悲しい光景はないでしょう。[中略]。連合会議が合衆国のために適切な平和時の軍事組織を推奨することはほとんど疑いも無いことです。整然とした相当の基盤の上に連邦の民兵を置く重要性に対して然るべき注意が払われるでしょう。もしそれが真実であれば、その大きな利益を最も強い言葉で促すことをお許し下さい。我が国の民兵は我々の安全の守護神と見なされ、戦闘行為の際には最初の効果的な手段とならなくてはなりません。したがって全体にも同様の制度が広がることは必要不可欠なことです。アメリカ大陸の民兵の規律は絶対的に同一にすべきであり、同種の武器、携行品、そして軍事機構が合衆国の至る所に導入すべきです」

歴代アメリカ合衆国大統領研究/歴代アメリカ大統領研究者の成果