宗教


伝統的な宗教観
 外交官としてロンドンに滞在している時に出席したパーティーで若い陸軍将校が急死した。それを見たアダムズは、「この世の楽しみが儚く空虚である」と感じ、カンタベリー大司教であったジョン・ティロットソンの説教集をよく読むようになったという。ティロットソンの説教は非常に実践的な神学で、人類がお互いに親切にし合うことが重要だと説いていた。
 病気になって視力を失い、その後、回復した時にアダムズは宗教的著作に向き直った。そして、両親に手紙で「彼らの信心深い導きのお蔭で、人生において不義の誘惑に直面しても信仰から離れずにすみました」と述べている。
 国務長官時代にアダムズはアメリカ聖書協会の会長を引き受けている。ユニタリアニズムの主張と福音主義の主張の不一致に危惧を抱いていたからである。アダムズはリベラルなユニタリアニズムと偏狭な原理主義を快く思っていなかった。 
 科学振興を唱えたことからアダムズは宗教に対して革新的であるように思われるが、宗教や慣習に関しては非常に伝統的な見解を持っていた。アダムズは「私自身の原罪は神の御前でどのくらい責任を負うべきものなのか」と問いかけている。そして、「祈りを聞いて下さる神がいましますこと、そして神に対する誠実な祈りは無駄ではないと私は信じている」と述べている。晩年、アダムズは、「神よ、私が年老いて、白髪となるとも、あなたの力を来たらんとするすべての世代に宣べ伝えるまで、私を見捨てないで下さい」という詩篇71章18節を繰り返し読んでいたという。

ジョン・クインシー・アダムズ大統領歴代アメリカ合衆国大統領研究