ローズヴェルト大統領が無条件降伏にこだわった理由


ローズヴェルト大統領が無条件降伏にこだわった理由

 1943年1月のカサブランカ会談で読み上げるために準備された草稿には以下のようにあります。

「大統領と首相は、世界の戦争の情勢を綿密に精査した後、ドイツと日本の戦争遂行能力を完全に絶滅させることによる以外、世界に平和は到来しないという決意を固めた。これは、この戦争の目的をドイツ、イタリア、日本の無条件降伏に置くという単一の定式に関連している。三国の無条件降伏は、世界平和を数世代にわたって妥当に保障する。無条件降伏は、ドイツ一般国民、もしくはイタリア、日本の一般国民の破壊を意味するわけではなく、諸国民を征服し、従属させようとするドイツ、イタリア、日本の考え方を破壊しようというものなのだ」

 これに関するスピーチライターを務めたロバート・シャーウッドの説明があります。Rosevelt and Hopkins (1948)という本からの引用です。

「ローズヴェルトが言いたかったことは、交渉した上での平和はなく、ナチズムとファシズムとの妥協はなく、ヒトラーを生み出す原因となった14か条のような免責条項などないということだ」

 つまり、シャーウッドの説明によれば、ウィルソンが唱えたような「勝利なき平和」という考え方をローズヴェルトは好まず、根本的に三国の制度を覆さなければならないと思っていたということになります。
 また1943年1月7日の統合参謀本部の議事録によれば、スターリンに、アメリカが徹底的に戦うつもりだという意思をアピールするジェスチャーであったいう見解もあります。スターリンに、無条件降伏という条件を伝えるのが妥当かどうかをチャーチルとカサブランカで相談するつもりだとローズヴェルトは語ったそうです。

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