演説


就任演説(1841.3.4)より抜粋 原文
 特に立法府を論じた部分に関する場合、そして、権限の行使に関して、一般的条項の下に、立法府に特別な権限を行使するのに必要なすべての法律を制定する権限を与えるべきだという主張する部分、それだけではなく特別な権限に関する場合も憲法を解釈するうえで問題が生じる。しかしながら、憲法の条文や精神からの脱却を提示する事例の大半は最終的に大多数の人々の同意を得ていると考えることは慰めとなるだろう。そして、最も顕著な才能と愛国心を持つ政治家の多くが、最も熱心に議論される問題の時には片方、また別の時にはもう片方に政治的立場を置くという事実は、邪悪で悲愛国的な動機による作用よりも、憲法制定者の意図を解明する多くの事例において内在する困難に帰せられる過ち―もし過ちがあれば―による作用を我々に押し付けるでしょう。しかし我々の政体に対する大きな危険は、政府による、人民から与えられていない権限の不正な行使にはなく、政府の1つの部門に他の部門に割り当てられた権限が集中することにあると思えます。政府に与える権限を制限しても、もし1つの部門に権限が集中すれば、専制政治を布くのに十分でしょう。ある部門が別の部門に対して行う侵害に、自らに保留された権限を顧みずに警戒を怠るのが目に付いているので、この危険は大いに高まっています。合衆国憲法が憲法制定会議で制定され、最初にお披露目された時、その当時の強固な共和主義者達の多くは、連邦政府に与えられる権限の範囲、特に行政府に割り当てられた権限の範囲に警戒心を抱きました。基本的な議会制民主主義もしくは共和制度の理念にそぐわない特徴があり、特に1人の人物によって権力が行使される場合、権力は自ら拡大する傾向があることが知られており、遠からず政府は実質上の君主制になって終わりを迎えるだろうという予言がなされました。こうした愛国主義者達の疑念は既に実現していると私が言うようになることはないだろうと思います。しかし、過去数年間、評価と世論がその方向にあると私は心から思っていますし、もしこうした傾向が現実に存在するならば、私の手に委託された権限を正当に行使することで達成することができる限り、これまで私がその進行を止める決意と政府が元の健全さと活気を取り戻すようにする決意をしてきたと、この機会に繰り返し請合うことはまさに適切であると私は思っています。

ウィリアム・ハリソン大統領歴代アメリカ合衆国大統領研究