伝説は嘘か真か


 ジョージ・ワシントンと桜の木という有名なお話がある。ワシントンの伝記には必ずと言っていいほど登場するお話である。どのようなお話かと言うと、ワシントンが少年だった頃のお話である。ある日の朝、ジョージは鍛冶屋に仕上がった斧を受け取りに行くようにお使いを頼まれた。鍛冶屋からの帰り道、ジョージは友人たちに出会った。友人たちはジョージの手から斧を取り上げると傍にあった桜の木をふざけて切り倒してしまった。それはジョージの父オーガスティンが大事にしている桜の木だった。ちょうどそこへオーガスティンが通りかかり、誰が桜の木を切り倒したのか詰問した。咄嗟にジョージは友人をかばって自分がやったのだと答えた。それを見て、いたたまれなくなった友人たちは正直に自分たちがやったのだと白状した。その様子に感心したオーガスティンは桜の木を切ったことを特に咎めずにすませた。この美談は実は後世の伝記作家による作り話である。いかにもワシントンにはありそうなことだったので実話として広まったのだろう。

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