大統領の愛人達


 大統領の愛人として最も有名なのはマリリン・モンローであることは誰もが、認めるところである。相手の大統領はもちろんジョン・F・ケネディだ。ケネディと親密な関係にあったと主張する女性はあまりに多く、どの証言が本当かはケネディ本人にしか分からないだろう。ケネディは他にもストリッパーのブレイズ・スタール、画家のメアリ・メイヤー、マフィアのボスの愛人だったと言われるジュディス・エクスナーと関係を持ったとされている。マリリン・モンローの他にもジーン・ティアニー、アンジー・ディキンソンといったハリウッド女優の名があげられる。中でも悪名高いのはインガ・アーバッドである。なにしろインガ・アーバッドは1941年にアメリカに渡る以前、ヒトラーとの交友関係があったとされる女優である。
 第3代大統領トマス・ジェファソンにも愛人はいたが、それはサリー・ヘミングスという自分の奴隷であった。2人の年齢差は31歳でしかもその関係は38年間も続いたという。ただ愛人といっても、その時、ジェファソンは寡夫だった。ジェファソンは結婚して10年後に妻と死別している。ジェファソンは二度と結婚しないことを妻に誓ったという。よほど妻を愛していたのだろう。
 年齢差と言えば、第29代大統領ウォレン・G・ハーディングとその愛人ナン・ブリトンも実に30歳差である。そのためハーディングはナンを「姪」だと偽ってホテルによく泊めていた。ハーディングとナンが愛人関係になったのは、ハーディングが言い寄ってナンを愛人にしたわけではないらしい。何でも高校一年生だったナンは、オハイオ州知事選のキャンペーンでハーディングを見て一目惚れしたらしく、選挙ポスターを寝室に貼っていたという。それから7年後、愛人関係はナンがハーディングに手紙を書いたことから始まった。ホワイトハウスの執務室近くの一坪に満たないクローゼットの中で愛を交わすこともあったという。もちろん大統領夫人に見つからないようにするためである。ハーディングの隠蔽工作にシークレット・サービスも全面協力していた。ナンはハーディングとの間にエリザベスという娘をもうけている。ハーディングの急逝後、ナンはハーディング夫人から養育費をもらおうとしたが失敗した。途方に暮れたナンは、娘の養育費を得るための最後の手段を思いついた。ハーディングとの蜜月関係を描いた暴露本を出版したのである。その名も「大統領の娘」という暴露本はベストセラーになった。天国でハーディングはそれをどう思ったのかは知る由もない。

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