トップへ

アメリカ歴代大統領研究ポータル

リンカーンの予知夢

奴隷解放宣言の署名

奴隷解放宣言について協議するリンカーンと閣僚
奴隷解放宣言について協議するリンカーンと閣僚
 1863年1月1日、エイブラハム・リンカーン大統領は奴隷解放宣言にサインした。実はその日、ホワイトハウスでは新年会が開催されていて多くの招待客で賑わっていた。リンカーンは何百人もの招待客と握手した。ちなみに大統領が握手するようになるのはトマス・ジェファソン大統領以降でそれまでは挨拶するだけだった。ジョージ・ワシントン大統領などは、拍手があまりに市民的で大統領の品位を汚すとしてあまり好んでいなかった。
 握手を終えた後、リンカーンの手は震えていた。握手のしすぎで筋肉が硬直していたからだ。そのためペンを持つのもままならない状態だった。

奴隷解放宣言の原本
奴隷解放宣言の原本
 奴隷解放宣言は歴史的に重要な文書になるに違いないとリンカーンは確信していたので、迷いがあったと後世に言われないために十分に時間をとって腕の強張りをほぐしながらしっかりとした筆跡で「エイブラハム・リンカーン」とサインした。 リンカーンのサインは下から4行目見える。
 この奴隷解放宣言の原本は5枚から構成され、赤と青のリボンでまとめられ、左上部に見える国璽に封蝋で留められていた。長い間、国務省に保管されていたが、現在はワシントンの国立公文書館に移管されている。