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アメリカ歴代大統領研究ポータル

アメリカ大統領歴代ランキング―年齢
アメリカ大統領歴代ランキング―総資産

備考:財産の種別

 建国期と現代ではどのように財産を築くか方法がまったく異なる。建国期には我々が知るような銀行制度は発展途上で投資でお金を稼ぐことはあまりできなかった。株の売却益や配当収入もほとんど期待できなかった。建国期の大統領は、主にフロンティアの土地を安く購入して転売したり、貸し出したりして収益を上げた。その他の収益源としては農園経営や先物取引などがある。
 歴代アメリカ大統領は弁護士の職歴を持つ者が多い。政治家専業で生計を立てるのは難しかった。閣僚を務めて給与を受け取るよりも弁護士業に精を出したほうが儲かった。総資産額が少ない大統領は主にそうした方法で収益を得ていた。
 20世紀に入ると大企業の発達によって、企業経営で財産を築く者が現れる。また緊急制度が発達して投機で莫大な財産を築けるようになった。代表的なのはケネディ家やブッシュ家である。またハーバート・フーバーも鉱山会社を所有して財を成した。
 その他にも著述でお金を稼ぐ方法がある。最も有名なのはユリシーズ・グラントである。大統領退任後、グラントは投機に失敗して莫大な損益を出した。そこで自伝を書いて売り出したところ、ベストセラーになり、何とか借金を返済することができた。
 カルヴィン・クーリッジは退任後、新聞にコラムを寄稿して収入を得た。
 ビル・クリントンバラク・オバマもグラントと同じく自伝で巨額な印税収入を得ている。

備考:貨幣価値の換算方法

 総資産の比較する場合、建国期と現代の貨幣価値が異なるという問題がある。したがって、現在の貨幣価値に換算している。例えばジョージ・ワシントンは遺言状を作成する際に資産価値を明らかにしているが、その総額は当時のお金で約53万ドルである。
 現在のお金だと約53万ドルという額はあまり多くないように思える。しかし、当時の連邦政府の年間予算の7パーセントに相当する額である。したがって、莫大な額と言える。
 また貨幣価値の換算には難しい点がある。物価を基準にして換算するか、労働を基準にして換算するかである。物価を基準にする場合、単純化すると次のようになる。1800年に100ドルで小麦10袋を購入できたが、1900年には100ドルで小麦1袋しか購入できなくなった。その場合、1800年のドルの価値は1900年のドルの10倍である。
 その一方で労働を基準にして換算するとどうなるのか。1800年に10時間働けば10ドルの賃金を得られたが、1900年には10時間働けば100ドル得られるようになった。その場合、1800年のドルの価値は1900年のドルの10倍である。
 もちろん実際の換算はこのように単純ではない。それに物価を基準にして換算した場合と労働を基準にして換算した場合で貨幣価値の換算には大きな差が出る。生産効率が違うからである。
 ウォール・ストリート・ジャーナルがどちらを基準にして貨幣価値の換算を行ったかは明示されていない。換算比率からすれば、労働を基準にして換算したと考えられる。

アメリカ大統領総資産一覧
※ウォール・ストリート・ジャーナル誌の「The Net Worth Of The American Presidents: Washington To Obama」を参考に作成。

トランプ政権閣僚の総資産一覧
トランプ政権閣僚の総資産一覧
l※フォーブズ誌の「Here's What Each Member Of Trump's $4.5 Billion Cabinet Is Worth」を参考に作成。