酒とタバコ


 ホワイトハウスではダンスも喫煙もカードも飲酒も駄目だとしたらどうだろう?まさかそんなことはあるまいと言うかもしれないが、実はそういう時代もあった。第19代大統領ラザフォード・B・ヘイズは煙草も吸わず、お酒も飲まなかった。その妻ルーシーはホワイトハウスで禁酒禁煙を徹底化しレモネードより刺激の強いものを出さなかったために「レモネード・ルーシー」と呼ばれた。
 ヘイズは酒と煙草に関しては例外的な大統領である。歴代大統領のほとんどは葉巻を嗜んでいる。特に有名なのは第18代大統領ウリセス・S・グラントで、全米から1万本もの葉巻を贈られた時に「私がどうするかって?ちょっとは人にあげるだろうが、残りは全部自分で吸ってしまうさ」と答えた。そして、1日20本も吸っていたという。そのためかグラントは後に喉頭癌を患った。大量の飲酒もしていた。
 葉巻のせいで癌になるかと言えば、必ずしもそうとは言えない。ジョン・アダムズは8歳から喫煙を始めたが、90歳まで長生きしている。
 ジョン・F・ケネディも葉巻愛好家として有名で、キューバからの禁輸を発表する前に、自分用のキューバ産葉巻をスタッフに買占めにやらせた。そして、買占めが終わったのを確認すると禁輸命令を発令した。
 第30代大統領カルヴィン・クーリッジは吝嗇な葉巻愛好家だった。自分用には高価な葉巻を準備させたが、来客には安価な葉巻を用意したという。なにしろ7セントのお釣りがすぐに返ってこないぐらいで大騒ぎするくらいの吝嗇ぶりである。またちょっと変わっていたのが第34代大統領ドワイト・D・アイゼンハワーで、1日4パックも手巻き煙草を作っていた。
 お酒で最も苦労した大統領は、おそらく第14代大統領フランクリン・ピアースだ。その母と同じくアルコール中毒だったと言われている。ジョージ・W・ブッシュも一時期お酒に入り浸る日々があったが、四十歳を機に禁酒している。また第3代大統領トマス・ジェファソンは1万ドルものワインの請求書を溜め込んだ。当時の大統領の年俸が2万5千ドルだったことを考えれば決して少ない額ではない。大統領ともなると酒も煙草も桁違いということだろうか。

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