ボクシングのやり過ぎは禁物


 大統領になるくらいの人間であれば何かしら人とは違った特技や趣味を持っているに違いないと思うのは一般人からすると当然のことだ。あっと驚くものもあれば、ごく普通のものもある。
 とても常人には真似ができそうにないのは第20代大統領ジェームズ・A・ガーフィールドの特技である。ガーフィールドは両方の手を使ってラテン語とギリシア語が同時に書けたという。また第39代大統領ジミー・カーターは一分間に2000語、95パーセントの理解率で速読できた。読み上げるのに1時間45分かかったウィリアム・H・ハリソン大統領の就任演説を僅か4分少しで読める。
※読者からの指摘―『カーター回顧録』の記録によるとカーターはペーパーワークのために大統領就任後、速読できるように訓練したという。
またリンカーンの趣味は、シェークスピアの暗唱だったというが、これもなかなか常人には真似ができないだろう。
 多芸多趣味で知られたのは、セオドア・ローズヴェルトである。ボクシング、柔道、乗馬、テニス、ポロ、漕艇、寒中水泳、ハンティング、フィッシング、読書、博物学と何でもありで、しかも自ら20冊以上の本を執筆している。特にボクシングは、14才の時にいじめられたことを契機に始め、遂には網膜剥離で左目をほぼ失明している。
 もちろん非常に大人しい特技や趣味を持っていた大統領もいる。フランクリン・D・ローズヴェルトは切手収集を長年の趣味としていた。真珠湾攻撃の第一報が入った時も、コレクションを整理しようかと考えていたくらいである。ドワイト・D・アイゼンハワーは、風景画を描くことを趣味にしていた。ただしほとんど塗る専門だったので、しばしば「塗り絵」と揶揄された。アイゼンハワー大統領博物館に今でも展示されているが、お世辞にもうまいとは言えない。
 大人しい趣味や特技ならよいが、中には傍迷惑な趣味や特技を持った大統領もいた。リンドン・B・ジョンソンは、愛車に来客を乗せて、時速140キロ以上の猛スピードで彼の農場の周りをぐるぐる回るのを楽しみにしていた。ウォレン・G・ハーディングは大のポーカー好きで、ホワイトハウスでもウイスキーを飲みながらよくポーカーに興じていた。掛け金が足りないために、ホワイトハウスにある置物まで掛けてしまうほどであった。大統領の趣味としては、周囲に迷惑をかけるような趣味はあまりよくないかもしれない。

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